空走距離、制動距離、停止距離…
なんじゃそりゃ!!
というわけで、今回の記事では中3で学習する関数\(y=ax^2\)の利用問題から「制動距離に関する問題」をイチから解説していきます。
次の問題を扱います。
ある条件下で、自動車が時速40㎞で走ると、空走距離は12m、制動距離は8mとなります。次の問いに答えなさい。
(1)時速80㎞で走っている自動車の空走距離、制動距離、停止距離を求めなさい。
(2)毎時\(x\)㎞で走るときの制動距離を\(y\)mとして、\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
(3)制動距離が2mとなるとき、自動車の速さを求めなさい。
速さと制動距離の関係を覚えておけば楽勝だ!!
制動距離、空走距離、停止距離とは
車は急には止まれません。
なので…
危ないっ!止まらなきゃ!
って思ってから実際にブレーキを踏むまでには多少の時間がかかります。
その間にも当然、車は進んでいるわけですよね。
危ないと思ってからブレーキを踏むまでの間に進んでしまった距離のこと、これを空走距離といいます。
空走距離は、速さに比例するという特徴を持っています。
速さが2倍になれば、空走距離も2倍。
速さが3倍になれば、空走距離も3倍というように変化します。
そして、ブレーキを踏みました。
すると、車はピタッと止まりますか?
いえ、キキィーーーっと音を立てながら少し引きずられるようにして、ようやく止まります。
つまり、ブレーキを踏んでからも車は少しの間進み続けるのです。
このときに進んだ距離のことを制動距離といいます。
制動距離は速さの2乗に比例するという特徴を持っています。
速さが2倍になれば、制動距離は4倍。
速さが3倍になれば、制動距離は9倍と変化していきます。
危ない、止まらなきゃ!と感じてから実際にブレーキを踏んで止まるまでには、空走距離と制動距離をあわせた距離だけ進んでしまうということがわかりますね。
これを停止距離といいます。
停止距離とは空走距離と制動距離の和で求めることができます。
- 危ない!からブレーキを踏むまでに進んだ距離を空走距離
- 空走距離は速さに比例
- ブレーキを踏んでから車が停止するまでに進んだ距離を制動距離
- 制動距離は速さの2乗に比例する
- 危ないと感じてから車が停止するまでに進んだ距離を停止距離
- 停止距離は空走距離と制動距離の和
以上の点を踏まえて、問題を解いてみよう!
制動距離の計算方法と問題の解説
ある条件下で、自動車が時速40㎞で走ると、空走距離は12m、制動距離は8mとなります。次の問いに答えなさい。
(1)時速80㎞で走っている自動車の空走距離、制動距離、停止距離を求めなさい。
(2)毎時\(x\)㎞で走るときの制動距離を\(y\)mとして、\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
(3)制動距離が2mとなるとき、自動車の速さを求めなさい。
(1)空走距離、制動距離、停止距離を求める
空走距離は速さに比例、制動距離は速さの2乗に比例するということを覚えておけば楽勝!
時速80㎞は時速40㎞に2倍です。
ということは、速さに比例する空走距離は2倍。
速さの2乗に比例する制動距離は4倍になることが分かります。
よって、空走距離は\(12\times 2=24m\)、制動距離は\(8\times 4=32m\) となります。
この2つの値が分かれば、停止距離は簡単!
停止距離は空走距離と制動距離の和なので、\(24+32=56m\)となります。
答え
$$空走:24m$$
$$制動:32m$$
$$停止:56m$$
(2)式を作る
速さと制動距離は2乗に比例する関係でしたね。
これを覚えておけば、式は\(y=ax^2\)という形になることがすぐに理解できます。
あとは、問題文から\(x=40, y=8\) を読み取れればOKですね。
答え
$$y=\frac{1}{200}x^2$$
(3)速さを求める
(2)で作った式を利用すれば簡単ですね。
制動距離が2mから、\(y=2\)ということが読み取れたらOKだね。
答え
$$時速20㎞$$
問題解説が分かりにくかった…という場合は
こちらの動画でも解説しているのでご参考ください!
まとめ!
お疲れ様でした!
制動距離って質問が多い問題なんだけど
意味を理解しておけば、別に難しくないよね!
空走距離は比例、制動距離は2乗に比例。
ここをしっかりと覚えておこうね!
(まぁ、これらの性質は問題文に書いてくれてることも多いんだけどね)
OK,OK~♪
計算も難しくなかったし、これならすぐにマスターできると思う!
練習あるのみだね!
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