中学生で学習する方程式は次の通り。
- 一次方程式(中1で学習)
- 連立方程式(中2で学習)
- 二次方程式(中3で学習)
これらの方程式の解き方について順に解説をしていきます。
この記事を通して、方程式の解き方をバッチリにしていきましょう。
これで受験も乗りきるぞ!
一次方程式の解き方(中1)
次の一次方程式を解きなさい。
$$4x-3=2x+5$$
- 文字と数をそれぞれ移項してまとめる
- 文字についている数で両辺を割る
- 完成!
この3つの手順で解いていきます。
まずは手順①、文字と数をそれぞれ移項してまとめましょう。
$$4x-3=2x+5$$
$$4x-2x=5+3$$
$$2x=8$$
それぞれをまとめることができたら、次は手順②
\(x\)の前についている2で両辺を割ります。
$$2x=8$$
$$2x\div 2=8\div 2$$
$$x=4$$
【練習】次の一次方程式を解きなさい。
$$5x+2=8x+6$$
分数の場合の解き方
次の一次方程式を解きなさい。
$$\frac{1}{2}x+3=\frac{2}{3}x+1$$
分母にある2と3の最小公倍数は6です。
というわけで、6を方程式の両辺に掛けてやります。
$$\left(\frac{1}{2}x+3\right)\times 6=\left(\frac{2}{3}x+1\right)\times 6$$
$$3x+18=4x+6$$
すると、このように分数がなくなった形に変形できます。
あとは、先ほどと同じように手順通り解いていけばOKです。
$$3x-4x=6-18$$
$$-x=-12$$
$$x=12$$
【練習】次の一次方程式を解きなさい。
$$\frac{x-2}{3}=\frac{1}{5}x-2$$
小数の場合の解き方
次の一次方程式を解きなさい。
$$0.2x-1=0.4x+0.8$$
方程式に含まれる小数が0.2のように小数第1位までの場合には×10を。
0.02のように小数第2位までの場合には×100を掛けることで小数を消してやりましょう。
$$(0.2x-1)\times 10=(0.4x+0.8)\times 10$$
$$2x-10=4x+8$$
このように、両辺に×10をすることで小数を消すことができました。
あとは手順通り解いていけばOKです。
$$2x-4x=8+10$$
$$-2x=18$$
$$x=-9$$
【練習】次の一次方程式を解きなさい。
$$0.01x-0.3=0.03x+0.02$$
連立方程式の解き方(中2)
中学2年生では、連立方程式を学習します。
連立方程式には2つの解き方があります。
- 加減法
- 代入法
それぞれの解き方について確認していきましょう。
加減法の解き方
次の方程式を解きなさい。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 3x-4y=-15 \\ 2x+3y=7 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
\(x\)または\(y\)の係数を揃え
足したり引いたりして、消去する!
それが加減法だ!
\(x\)と\(y\)、どちらを消去しても良いのだけど、なるべく数を揃えやすい方を消去するように考えていきましょう。
今回の問題では、\(x\)を消去するということで話を進めていきます。
\(x\)の係数は3と2となっています。通分をする感じでこれらを6に揃えましょう。
\(3x-4y=-15\)の両辺を×2すると
$$6x-8y=-30$$
\(2x+3y=7\)の両辺を×3すると
$$6x+9y=21$$
このように、それぞれ\(x\)の係数を揃えることができました。
あとはこれらの式を引いてやれば\(x\)を消去することができます。
すると、このような手順で答えを出すことができます。
同符号なら引く
異符号なら足す
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l}4x+3y=1 \\3x-2y=-12 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
代入法の解き方
次の方程式を解きなさい。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} y =x -9 \\ 2x – 5y = 3 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
代入して文字を消去する
これが代入法だ!
足したり、引いたりすることで文字を消去するのが加減法でした。
一方で代入法は、その名の通り代入することで文字を消去します。
このように\(x=…\),\(y=…\)になっている式をもう一方の式に代入します。
すると
$$2x-5(x-9)=3$$
という式ができあがり、\(y\)を消去することができました。
あとは、この方程式を解いていけばOKですね!
$$2x-5(x-9)=3$$
$$2x-5x+45=3$$
$$-3x=-42$$
$$x=14$$
\(x=14\)を\(y=x-9\)に代入すると
$$y=14-9=5$$
よって、解は\((x,y)=(14,5)\)となります。
連立方程式の中に
\(x=…\),\(y=…\)
の形があれば代入法を使う目印だね!
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l}3x+2y=7 \\x=-2y+1 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
分数、小数の場合の解き方
次の方程式を解きなさい。
$$\displaystyle{\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \frac{1}{3}x-\frac{1}{2}y=2 \\ 0.1x + 0.4y = -0.5 \end{array} \right. \end{eqnarray}}$$
分数、小数は消してしまえ!
\(\displaystyle{\frac{1}{3}x-\frac{1}{2}y=2}\)の両辺に×6
\(0.1x + 0.4y = -0.5\)の両辺に×10をすると
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 2x-3y=12 \\ x + 4y = -5 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
このようにスッキリした連立方程式に変形することができます。
あとはこれを解いていけばOKですね。
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l}\frac{x}{3}-\frac{y}{4}=1 \\y=x-2 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
二次方程式の解き方(中3)
中学3年生で学習する二次方程式には大きく分けて
- 平方根を利用した解き方
- 因数分解を利用した解き方
- 解の公式を利用した解き方
- 平方完成を利用した解き方
以上、4つの解き方があります。
方程式の形を見て、どの解き方が最適化を判断していく必要があります。
だから、ちょっと大変だね…
でも、1つ1つの解き方自体は別に難しいものではないから大丈夫!
しっかりとマスターしていこう!
平方根を利用した解き方
次の方程式を解きなさい。
$$3x^2=9$$
- \((xの式)^2=(数)\)の形になるよう変形する
- \((xの式)=\pm\sqrt{(数)}\)に変形
- 完成!
まず、手順①
\((xの式)^2=(数)\)の形になるよう、両辺に÷3をします。
$$3x^2=9$$
$$3x^2\div 3=9\div 3 $$
$$x^2=3$$
次に手順②
\((xの式)=\pm\sqrt{(数)}\)のように変形します。
$$x^2=3$$
$$x=\pm\sqrt{3}$$
次の方程式を解きなさい。
$$2(x-1)^2=8$$
まずは手順①、両辺を÷2します。
$$2(x-1)^2\div2=8\div2$$
$$(x-1)^2=4$$
次に手順②、二乗をとって±√をつけます。
$$(x-1)^2=4$$
$$x-1=\pm\sqrt{4}$$
$$x-1=\pm 2$$
$$x=1\pm 2$$
$$x=3, -1$$
\((xの式)=\pm\sqrt{(数)}\)の形が作れそうであれば平方根を利用した解き方でやっていきましょう!
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$(x-5)^2-10=0$$
因数分解を利用した解き方
次の方程式を解きなさい。
$$x^2-3x-10=0$$
- 因数分解をして、A×B=0の形を作る
- A=0 または B=0となることを利用する
- 完成!
まずは手順①、因数分解をしましょう。
$$x^2-3x-10=0$$
$$(x-5)(x+2)=0$$
次に手順②、A=0またはB=0となることを利用します。
$$(x-5)(x+2)=0$$
$$x-5=0, x+2=0$$
$$x=5, -2$$
方程式が因数分解できるなーって思えば、このやり方で解いていこう!
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$x^2+2x-24=0$$
解の公式を利用した解き方
次の方程式を解きなさい。
$$3x^2-9x+5=0$$
- 平方根、因数分解の解き方が利用できない…
- 解の公式に当てはめる
- 完成!
~解の公式~
\(ax^2+bx+c=0\)の解は
$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
今回の方程式を見ると、平方根も因数分解も利用できない…となってしまいます。
そんなときに利用できるのが解の公式です!
どんな二次方程式でも解いちゃうことができるんだ
それでは、解の公式に当てはめて解いていきましょう。
\(3x^2-9x+5=0\)から\(a=3, b=-9, c=5\)が読み取れます。
これらを解の公式に代入すると
$$x=\frac{-(-9)\pm\sqrt{(-9)^2-4\times 3\times 5}}{2\times 3}$$
$$x=\frac{9\pm \sqrt{81-60}}{6}$$
$$x=\frac{9\pm \sqrt{21}}{6}$$
ちょっと計算が大変だから、たくさん練習してスラスラ解けるようにしておこうね!
【練習】次の方程式を解きなさい。
$$x^2-6x+4=0$$
平方完成を利用した解き方
中学生のうちは、平方完成を利用した解き方についてはあまり利用することがないかもしれません。
一応、ご紹介しておきますが軽く頭の片隅にでも入れといてもらえればOKです。
それでは、次の方程式を解いてみましょう。
次の方程式を解きなさい。
$$x^2-2x-7=0$$
まずは、-7を右辺に移行し\((xの式)=(数)\)とします。
$$x^2-2x-7=0$$
$$x^2-2x=7$$
次に、\(x\)の係数である(-2)の半分を二乗した数を両辺に加えます。
ちょっとややこしいですが
\(-2\)を半分にした数\((-1)\)を二乗する
$$(-1)^2=1$$
を両辺に加えます。
$$x^2-2x+1=7+1$$
$$x^2-2x+1=8$$
すると、左辺が因数分解できる形になっているはずです。
$$(x-1)^2=8$$
この形を作ることができれば、平方根を利用した解き方で解いていくことができます。
$$x-1=\pm\sqrt{8}$$
$$x=1\pm 2\sqrt{2}$$
$$(xの式)^2=(数)$$
の形を作ることを、平方完成と言うよ
高校数学で大活躍するワザだ!
- \((xの式)=(数)\)に変形
- \(x\)の係数を半分にし、二乗した数を両辺に加える
- 因数分解する
- 因数分解を利用した解き方で解を求める
- 完成!
方程式の解き方まとめ
中学で学習する方程式の解き方をまとめておきました。
受験を乗り切るためには、しっかりと理解しておきたいものばかりです。
それぞれの解き方を利用できれば、学校のワークや問題集を使ってたくさん練習しておきましょう!